クラウドによる遠隔操作に対応した物流用ドローンポートシステムの検証実験

400mの距離をドローンポート間で自動航行

 実験の開始にあたり国土交通省 総合政策局 物流政策課 企画室 課長補佐 大庭靖貴 氏が挨拶し「少子高齢化や労働人口の減少などから、国内の物流は近い将来に深刻な人手不足が懸念されています。こうした背景から、国土交通省の総合政策局物流政策課 技術政策課では、東京大学とブルーイノベーション株式会社による物流用ドローンポートの実証実験を長野県伊那市で進めています」と説明した。すでに、今年の3月にドローンポートへの着陸実験は行われてきた。今回は2017年度に予定されている実験の一回目となり、「ドローンポートによる機体姿勢制御の機能検証」と「クラウドによる遠隔監視・確認システムの検証」を目的とした実験が行われた。会場となった道の駅南アルプスむら長谷には、特設のドローンポートが設置され、クラウド経由で遠隔操作による離着陸と自動飛行が実行された。
道の駅の駐車場に設置されたドローンポートを飛び立ったドローンは、あらかじめ設定されている空路に沿って、400m離れた長谷高齢者専用住宅に設置されたドローンポートに着陸した。その間、緊急時のサポート用にプロポを手にしたスタッフは待機していたが、遠隔操作による自動飛行はトラブルなく実行された。

ドローンポートへの侵入者を検知する安全対策

 往路で無事に飛行を終えたドローンは、その場でバッテリーを交換し、復路で道の駅に戻る飛行を行った。復路の飛行では、ドローンポートの侵入検知システムを検証するために、マーカーのあるポート内にスタッフが故意に立ち入った。侵入を検知したドローンポートでは、飛行中のドローンに対して空中で待機するように指示を送った。信号を受け取ったドローンは、着陸しないで上空でホバリングを続けて待機していた。そして、ドローンポートから人が立ち去ると、安全を確認して無事に着陸した。

 実験を終えて、ブルーイノベーションの熊田雅之取締役COOは「今回の実験では、技術的な完成度は60%~70%と評価しています。今後は、サービス面での環境整備や他のドローンへの対応などを検討していきます。また、11月頃には実用化に近い条件での実証実験を計画しています」と話した。

引用:https://www.dronetimes.jp/articles/1890

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